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女人禁制の地の一覧


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2018年4月8日 大相撲の土俵、酒蔵に関しての記載を追加

女人禁制の地の一覧の概要

女人禁制の地とは、霊場・寺社・祭場などへの女性の立ち入りを禁止した場所です。
女人禁制の地の入り口には「女人結界」と呼ばれる、入山規制の門や碑が備えてありました。

女人禁制には生理や月経などに関係する期間のみの立ち入り禁止から、永続的に立ち入り禁止をするなどがあり、 女人禁制の理由としては宗教上の理由や、修行の地が山岳などで危険で有る為などさまざまな理由があります。

なお殆どの神社や仏閣に関しての女人禁制の地は明治5年3月27日の太政官布告第98号「神社仏閣女人結界ノ場所ヲ廃シ登山参詣随意トス」により解除が行われました。
 
 
 
 
 
 
 
女人禁制の地の一覧
名称 説明
富士山 静岡県と山梨県にまたがる日本最高峰の富士山は、古くから山岳信仰(浅間信仰)の聖地とされ霊山とされてきました。
富士山は江戸末期まで女人禁制で2合目までしか女性が登ることはできませんでした。
しかし、天保3年(1832年)に「高山たつ」という女性が男装して登山した記録が残っています。
岩木山 青森県弘前市と西津軽郡鰺ヶ沢町にある火山で、標高が1625mあります。

岩木山は古くから山岳信仰の地であり、女人禁制の山でもありました。

現在も登山道に女人結界だったとされる姥石(ウバ石)が有り、岩木山に上ろうとした女性が山の神によって石化させられたものだという伝説が残っています。
秋田駒ヶ岳 秋田県仙北市と岩手県雫石町にまたがる標高1637mの活火山です。
山岳信仰の聖地であったため昔は女人禁制の山となっていました。
太平山 秋田県の秋田市と上小阿仁村またがる標高1170mの山です。
かつては女人禁制の山とされており、現在も登山道に女人堂(山岳信仰の山で女性信者が入れる場所)が残っています。
男体山
(日光男体山)
栃木県日光市にある標高2486mの火山です。
男体山全体が日光二荒山神社の御神体とされており、明治5年(1872年)に太政官通達で神社仏閣地の女人禁制が解かれるまで、女人禁制の山となっていました。
立山 富山県にある飛騨山脈の標高3015mの山です。雄山、大汝山、富士ノ折立の3つの峰の総称となっています。
富士山、白山と共に日本三霊山とされ、山岳信仰の聖地となっており、 そのため、明治5年(1872年)まで女人禁制の山となっていました。
女人禁制がとかれた翌年の1873年に「深見チエ」という女性が登頂した記録が残っています。
白山 石川県と岐阜県にまたがる標高2702mの山です。
富士山、立山と共に日本三霊山とされ、山岳信仰の聖地となっており、 そのため、明治5年(1872年)まで女人禁制の山となっていました。
女人禁制がとかれた同年に鳥取県の女性が登頂したという記録が残っています。
比叡山 滋賀県大津市と京都府京都市にまたがる標高848.3mの山です。 大比叡と四明岳の2つの峰の総称となっています。
古くから山岳信仰の聖地とされ、明治5年(1872年)まで女人禁制の山となっていました。
御嶽山 長野県と岐阜県にまたがる標高3067mの火山です。
古くから修験道などの山岳信仰の聖地とされており、明治5年(1872年)まで女人禁制の山となっていました。
高野山 和歌山県伊都郡高野町になる1000程度の山で、複数の峰などからなっています。
弘法大師空海が弘仁7年(816年)に高野山を開いたとされており、古くから高野山真言宗の聖地とされてきました。
そのため、明治5年(1872年)まで女人禁制で、現在も女人堂が残されています。
出羽三山 山形県鶴岡市、庄内町にある月山、羽黒山、湯殿山の3つの山の総称です。
各山の山頂には神社があり、古くから修験道などの山岳信仰の聖地とされていました。
平成五年の出羽三山御開山千四百年祭を機に女人禁制を開放しました。 また、場所によっては開放前から女性も入れる所があったり、明治10年に一部開放されたとの記録もあります。
石鎚山 愛媛県西条市にある標高1982mの山で、西日本最高峰となっています。
日本七霊山のひとつおされ、古くから修験道などの山岳信仰の聖地とされていました。
そのためかつては女人禁制の山となっていました。 現在も7月1日から10日までの「お山開き」の間は女人禁制となっています。





大峰山山上ヶ岳 奈良県吉野郡天川村にある標高1719mの山です。
古くから修験道などの山岳信仰の聖地で、現在も山上ヶ岳全体と山上ヶ岳にある大峰山寺周辺東西約10km・南北約24kmが女人禁制となっており、 山上ヶ岳の登山道の入り口には「女人結界門」が有ります。

山上ヶ岳は女人禁制で女性は登れませんが、女性信者のために山上ヶ岳の隣の稲村ヶ岳が女性用の修行場として開放されています。
また、山上ヶ岳の女人禁制に反対するグループの女性が幾度か登山を行っています。
後山 兵庫県宍粟市と岡山県美作市にまたがる標高1345mの山です。
古くから修験道などの山岳信仰の聖地で、現在も修験者用の登山道は女人禁止となっています。
なお、別の登山道があるため女性でも後山に登頂することは可能です。
大山(だいせん) 鳥取県大山町にある標高1729mの火山です。
古くから山岳信仰の聖地とされ女人禁制の山となっていました。
また、大山は江戸時代に大山寺の寺領とされ、一般人の入山も禁止されていました。
現在も大山の登山道には女人禁制の碑が残っています。
高越山 徳島県吉野川市にある標高1133mの山で、阿波富士とも呼ばれています。
古くから山岳信仰の聖地で女人禁制でした。
現在も8月18日の「十八山会式」は女人禁制となっています。
猪群山 大分県豊後高田市にある標高458mの山です。
山頂付近には御神石やストーンサークルのような環状列石があり、その周辺は「オミセン」と呼ばれ女人禁制でした。
飯豊山 山形県、新潟県、福島県にまたがる越後山脈の山で、標高は2105m。
古くから修験道や、地元の山岳信仰などの聖地とされており、女人禁制となっていました。
石仏山 石川県能登町にある山で山頂付近には3つの岩が祭られています。
石仏山は現在も女人禁制となっています。
沖ノ島 福岡県宗像市の玄界灘に浮かぶ島で、天然記念物となっています。
宗像大社の神領で島全体が御神体となっており、現在も女人禁制となっています。
また神職以外の男性も5月27日に日本海海戦記念の大祭の日にしか上陸できません。
鹿島 高知県幡多郡黒潮町にある鹿島は島全体が島内にある鹿島神社の神域で、昔は女人禁制とされていました。
神威岬 北海道積丹郡積丹町にある日本海側に突き出た岬です。
源義経に恋焦がれたアイヌ首長の娘が海に身を投げて、それ以降女性を乗せた船が難破したという言い伝えから女人禁制となっていました。
安政2年(1855年)に幕府により女人禁制がとかれました。
石上神社 兵庫県津名郡北淡町にある石上神社は女人禁制の神社となっています。
複数の巨石と太陽を祭っている神社だといわれており、神社の入り口には女人禁制の石碑も立っています。
その他の女性立ち入り禁止場所
相撲の土俵 相撲が行われる土俵は、相撲が神事であることと土俵上には神がいると考えられ古くから女性の立ち入りが禁止されていました。

1978年に上位3名が当時の蔵前国技館で行われる決勝大会に進める「わんぱく相撲東京場所」において、10歳の女の子が準優勝をしましたが国技館での参加を断られました。
なお、1978年5月23日に当時の労働省婦人少年局の局長であった森山真弓が、当時の相撲協会の理事を呼び出し上記の女子児童が国技館で参加を断られたことについて、会談を行いました。

1989年(平成元年)に森山真弓官房長官が総理大臣賜杯を土俵上で授与しようとしましたが相撲協会に断られ、 2004年(平成16年)には大相撲の春場所で太田房江大阪府知事が優勝力士に贈る大阪府知事賞を土俵上で贈呈しようとしましたが同じく相撲協会が拒否しています。

2018年(平成30年)4月4日には京都府舞鶴市で行われた大相撲春巡業の際に、舞鶴市の多々見良三市長が土俵上で挨拶中に体調を崩して倒れた際に、心臓マッサージを行った女性看護師ら2人に対し「土俵から降りるように」と場内アナウンスがされ物議を呼びました。

2018年(平成30年)4月6日には大相撲春巡業の宝塚場所で中川智子市長が挨拶の際に土俵に上がることを希望しましたが、日本相撲協会から断られ土俵下から挨拶を行いました。

なお、女相撲や地域のちびっ子相撲などでは女性や女の子も参加する事もできますが、大相撲や神社の奉納で行われる神事などの際には女性が立ち入ることが出来ない事も多く有ります。
全国高校野球選手権大会のグラウンド 全国高校野球選手権大会のグラウンド上は危険防止のため、 大会規定によりグラウンド上に立てるのは男子のみと明記されています。

平成28年の第98回全国高校野球選手権大会の甲子園練習では、大分高校の女子マネージャーが ユニフォーム姿で甲子園のグラウンドに立ち練習補助を行いましたが、大会関係者に注意を受けベンチに下がるハプニングがありました。
名門会員制ゴルフ場 イギリスなどの古くから存在する名門会員制ゴルフ場は、ゴルフは紳士のスポーツでゴルフ場はメンズクラブであるという考え方から、会員権の販売を男性のみとしていました。

東京都小平市の小金井カントリー倶楽部では1985年に外務省主催の各国大使とのゴルフコンペを開催した際に、当時外務政務次官で有った森山眞弓が女性であることから「土日祝日の女性のプレーは認められない」とゴルフ場からプレーの拒否をされ問題となりました。

2020年の東京オリンピックでゴルフの会場予定となる、埼玉県川越市にある霞ヶ関カンツリー倶楽部は、女性の利用条件が制限されていることからオリンピック憲章にのっとっていないのではないかと話題となりました。

過去も含めて女性の使用の禁止や制限がされていたゴルフ場には「ミュアフィールド」「オーガスタ・ナショナル」「セント・アンドリュース」「ロイヤル・セント・ジョージズ」「ロイヤル・トゥルーン」などがあります。
祇園祭 京都市東山区の八坂神社の例祭である祇園祭は、江戸時代中期以降女人禁制でありましたが、2001年(平成13年)に各山鉾町が届け出る形で女性の参加が認められました。

なお、現在でも先頭に立つ長刀鉾や放下鉾への女性の参加は禁止されています。
漁船 海の神様または船魂(航海の安全を祈る神)は女性であるとされているため、女性が海に出たり舟に乗ると神様が嫉妬するという伝承があります。

このことから漁船や離島の船などでは、女性を船に乗せなかったり、乗せる場合は2人以上としている事があります。

また女性一人で乗らざるを得ない状況の場合には、人型の紙を持つ、人形を持つ、鏡を持つ、別の女性の写真を持つなどの伝統が残っている事もあります。
トンネル工事現場 山の神は醜い顔の女性であるとされ、女性が山に入ると嫉妬をして悪いことが怒ると考えられていた事、さらに山に穴を開ける(女性の穴を開ける)という意味合いなどからトンネル工事現場は古くから女人禁制でした。

労働基準法でもトンネルや鉱山内での女性坑内業務(危険や労働環境の悪さから)が禁止されていましたが、2006年に改正されてました。

1976年8月には長野県塩尻市の塩嶺トンネルで事業認定について地元住民と訴訟の現場検証において、原告弁護団の中に女性弁護士が居たことから工事現場への立ち入りが拒否されました。
酒蔵 日本酒を製造している酒蔵は古くは女人禁制となっていました。

女人禁制の理由には多々あり、女性の生理現象を不浄な物としていた、酒蔵は男性の職場だった、お酒や麹の神様が女性(木花咲耶姫:コノハナノサクヤビメ)だったので女性が来ると嫉妬する、女性は家で糠漬けを触っていたので糠の菌が酒蔵に入らないようにしていた為などと言われています。
 

 




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