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江戸時代の奉行・御奉行の種類一覧


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江戸時代の奉行・御奉行の種類一覧の概要

奉行とは平安時代から江戸時代にかけて存在した武家の職名で、このページでは主に江戸時代の奉行を紹介しています。

有名な奉行職には「町奉行」「寺社奉行」などがあり、大名などが務める地位の高い奉行職から、 一般の武士が勤める地位の低い奉行職まで多数の奉行職が存在していました。
 
 
 
 
 
 
 
江戸時代の奉行・御奉行の種類一覧
名称 説明
五奉行 豊臣政権末期の豊臣秀吉が関白に就任時または豊臣秀吉が病に伏したさいに設置されたとされる制度です。

五奉行には司法担当の浅野長政、行政担当の石田三成、土木担当増田長盛、財政担当の長束正家、宗教担当の前田玄以が就いていました。

また安芸国の毛利氏でも五奉行制度がとられていました。
江戸町奉行(町奉行) 江戸時代に設置された役職で、江戸の行政や司法を執り行っており、現代でいう警察・裁判所・役所の全般の業務を行っていたとされています。

一般的には御番所、御役所などと呼ばれていたようです。

江戸町奉行には北町奉行・南町奉行・中町奉行の3箇所が存在しました。
遠国奉行 江戸時代に設置された役職で、江戸以外の幕府直轄領地や重要とされる土地に設置されていました。
京都町奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

京都やその周辺の地域の行政や裁判、天領や寺社の管理などを行いました。

京都町奉行には東町奉行と西町奉行がおり、1月ごとに交代で職務についていました。
大坂町奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

大阪や周辺の摂津国、河内国、大阪周辺の天領などの行政や、蔵屋敷の管理などを行っていました。

大坂町奉行には東町奉行と西町奉行がおり、1月ごとに交代で職務についていました。
清水奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

駿河湾の監視や警備を行っていましたが、元禄9年(1696年)に廃止され、清水奉行の業務は駿河町奉行に引き継がれました。
駿府町奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

駿河国内の天領の管理や行政を行いました。

駿府町奉行には横内組町奉行と大手町奉行がおり、1月ごとに交代で職務についていました。
伏見奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

京都の伏見に置かれた奉行で、伏見、近江国、丹波両国の行政や裁判を行っていました。

また、木津川を航行する船舶の取り締まりや管理も行っていました。
佐渡奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

新潟の佐渡島内の行政・裁判の執行と、佐渡金山の管理、外国船の監視・海上警備などを行っていました。

佐渡奉行には島民に関連する業務を行う「町奉行」と、佐渡金山に関連する業務を行う「山奉行」に分かれていました。
長崎奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

天領であった長崎の行政や司法の管理、オランダとの通称、出島の管理、輸出入の管理、キリシタンの監視、長崎港の警備などを行っていました。

長崎奉行には長崎に留まっている「長崎在勤奉行」と、長崎在勤奉行と幕府間のやり取りを行うために江戸に居る「在府奉行」に分かれていました。
堺奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

天領であった境・和泉国・河内国の行政などを行いました。
山田奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

伊勢神宮の管理・修理・保存・祭礼などを行ったり、門前町の管理や、周辺の伊勢国・志摩国の行政管理、鳥羽港の警備などを行っていました。

山田奉行は「伊勢奉行」「伊勢町奉行」「伊勢山田奉行」「伊勢山田町奉行」「伊勢郡代」等とも呼ばれていました。
奈良奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

奈良の興福寺・東大寺など南都の大寺院やその門前町の監視・警備・管理などを行っていました。

また、豊臣時代にも奈良奉行が存在しました。
日光奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

日光の行政の管理、日光にある東照宮の管理、徳川家光の廟である「大猷院」の管理、日光における祭事などの管理を行いました。
浦賀奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

江戸湾に入港する船舶の監視や管理、相模や浦賀の行政を行いました。

また江戸時代末期には来航する外国船との窓口も行いました。
下田奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

伊豆下田にある港の管理や監視、船舶の検査などを行っていました。
新潟奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

天領であった新潟周辺の地域の行政や、新潟港の監視・警備・管理を行っていました。
蝦夷奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

蝦夷地の警備や監視を行っていましたが、後に「函館奉行」に解消されました。
箱館奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

「蝦夷奉行」から改称された奉行職です。

箱館奉行も後に「松前奉行」に改称されました。
松前奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

「箱館奉行」から改称された奉行職です
羽田奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

外国船の来航に備え江戸湾の監視や警備を行っていましたが、設置された二年後に廃止されました。
神奈川奉行 江戸時代に設置された役職で、安政6年(1859年)に開港した横浜港に関わる業務を行っていた遠国奉行の1つです。
兵庫奉行 江戸時代に設置された役職で、遠国奉行の一種です。

兵庫港に関わる業務を行っていました。





寺社奉行 鎌倉時代・室町時代・江戸時代に設置された役職で、寺社の管理・有力寺社との折衝・寺社領の訴訟などの業務を行っていました。

鎌倉・室町時代には寺を担当する「寺奉行」、神社を担当する「社家奉行」、禅宗・律宗を担当する「山門奉行」、東大寺・興福寺を担当する「南都奉行」 などがありました。

江戸時代には寺社などの訴訟、僧・神職・陰陽師・修験者の管理・統制、寺社領民の管理等を行っていました。
また、勘定奉行・町奉行と共に「三奉行」とも呼ばれました。
勘定奉行 江戸時代に設置された役職で、財政や天領(幕府直轄地)の管理などを行っていました。

勘定奉行は1721年に財務と民政を扱う「勝手方勘定奉行」と、訴訟などを扱う「公事方勘定奉行」に分割されました。

また、寺社奉行・町奉行と共に「三奉行」とも呼ばれました。
作事奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府に関する建物などの修繕や増築を管理していました。

作事奉行の下には現場監督などを行う「作事下奉行」、畳の手配や交換などを行う「畳奉行」、 瓦の手配や交換を行う「瓦奉行」、植木の管理を行う「植木奉行」、細部の加工や装飾を行う「小細工奉行」等の役職がありました。

普請奉行、小普請奉行と共に「下三奉行」とも呼ばれていました。
普請奉行
御普請奉行
江戸時代に設置された役職で、江戸城などの城の石垣や縄張りなどの管理を行っていました。

作事奉行、小普請奉行と共に「下三奉行」とも呼ばれていました。
小普請奉行 江戸時代に設置された役職で、江戸城や徳川家に関わる寛永時・増上寺などの建築や修繕を行いました。

作事奉行、普請奉行と共に「下三奉行」とも呼ばれていました。
浜御殿奉行
浜御殿添奉行
江戸時代に設置された役職で、将軍家が鷹狩りを行う別邸の浜御殿(浜離宮)の管理などを行いました。
吹上奉行
吹上添奉行
江戸時代に設置された役職で、江戸城内に有った吹上庭園(吹上御苑)の管理などを行いました。
寄場奉行
人足寄場奉行
江戸時代に設置された役職で、軽犯罪などを犯した者の自立支援などを行う「人足寄場(加役方人足寄場)」を管理していました。
書物奉行
御書物奉行
江戸時代に設置された役職で、江戸城に有った紅葉山文庫に保管されている書物の管理や、幕府の書物の保管・管理・収集・調査・写本の作成などを行っていたとされています。
腰物奉行
御腰物奉行
江戸時代に設置された役職で、将軍家の刀剣類の管理や各大名に賜る刀剣類の調達などを行っていたとされています。

腰物奉行には七百石級の旗本が就いていました。
具足奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府の甲冑の作成や管理を行っていました。
鉄砲箪笥奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府の鉄砲の作成や管理を行っていました。
弓矢槍奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府の弓矢や槍の作成や管理を行っていました。
幕奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府の陣幕の管理を行っていました。
牢屋奉行 江戸時代に設置された役職で、伝馬町牢屋敷の管理や刑罰の宣告や執行などを行っていました。

牢屋奉行は「石出帯刀」の名を襲名しました。
大坂破損並材木奉行 江戸時代に設置された役職で、大阪城やその周りの建造物の造営や修理を行っていました。
大坂具足奉行 江戸時代に設置された役職で、大阪城の甲冑などの管理を行っていました。
大坂弓矢奉行 江戸時代に設置された役職で、大阪城の弓矢などの管理を行っていました。
大坂鉄砲奉行 江戸時代に設置された役職で、大阪城の鉄砲や火薬などの管理を行っていました。
油漆奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府の灯油や漆の管理、幕府に関連する寺社の什器の管理などを行っていました。
蔵奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府の米蔵の管理を行っていました。
金奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府の金庫の管理を行っていました。
林奉行
御林奉行
江戸時代に設置された役職で、幕府の持つ林の管理や木材の伐採等を行っていました。
木材奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府の造営用の木材の調達や管理を行っていました。
石奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府の造営用の石材の調達や管理を行っていました。
材木石奉行 江戸時代に設置された役職で、木材奉行と石奉行が統合された役職です。
普請方下奉行
膳奉行
御膳奉行
室町時代・江戸時代に設置された役職です。

室町時代の善奉行は将軍が他家で食事を取る際にその食事を管理しました。

江戸時代の善奉行は将軍の食事を管理していました。
旗奉行 江戸時代に設置された役職で、戦時の旗指物を管理していました。
槍奉行
鑓奉行
江戸時代に設置された役職で、槍を管理していました。

また槍奉行の下には長柄槍組同心と八王子千人同心が組織されていました。
闕所物奉行 江戸時代に設置された役職で、闕所または欠所(財産の没収などの刑罰により領主が居なくなった領地や物品)を管理・売却していました。
道中奉行 江戸時代に設置された役職で、五街道(東海道・日光街道(日光道中)・奥州街道(奥州道中)・中山道・甲州街道(甲州道中))の 道路や宿場町の管理を行いました。
野馬奉行 江戸時代に設置された役職で、小金牧(幕府が千葉県北西部に作った軍馬用放牧場)の管理を行いました。

野馬奉行は綿貫氏により世襲され、重右衛門・夏右衛門などを名乗りました。
小石川薬園奉行 江戸時代に設置された役職で、小石川薬園(現:小石川植物園)の管理を行いました。
学問所奉行 江戸時代に設置された役職で、「昌平坂学問所」や江戸幕府直轄の教育機関「蕃書調所」の管理を行いました。
提灯奉行
講武所奉行 江戸時代に設置された役職で、武術を学ぶ講武所の管理を行っていました。
山陵奉行 江戸時代に設置された役職で、山陵(天皇陵)の管理や保守を行っていました。
山稜奉行は幕府の役職ですが、朝廷により任命されていました。

明治元年に山陵奉行から山陵修補奉行に名称が変更されました。
外国惣奉行
外国奉行 江戸時代に設置された役職で、対外交渉などを行っていました。
会計奉行
海軍奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府の海軍を総括していました。
軍艦奉行 江戸時代に設置された役職で、軍艦の製造や購入の手配、乗員の教育や訓練を行いました。
陸軍奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府の陸軍を総括していました。
歩兵奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府の陸軍の歩兵部隊の指揮を執りました。
騎兵奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府の陸軍の騎兵部隊の指揮を執りました。
撒兵奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府の陸軍の撒兵部隊の指揮を執りました。
製鉄所奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府軍に必要な銃砲や軍艦に使用する製鉄に関する業務を行いました。
鉄砲玉薬奉行 江戸時代に設置された役職で、幕府軍に必要な銃砲や弾丸の作成・購入・管理を行いました。
 

 







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