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塵肺・じん肺・職業性肺疾患の種類一覧


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塵肺・じん肺・職業性肺疾患の種類一覧の概要

塵肺とは粉塵や物質の微粒子を長期間吸入し、肺の細胞に蓄積された結果発生する肺疾患の総称で、じん肺法では「粉塵を吸入する事によって肺に生じた繊維増殖性変化を主体とする疾病」と定義をしています。

塵肺になると気管支の炎症、線維症、肺胞の異常、呼吸困難、肺結核、肺がんなどになる恐れがあります。

塵肺を予防するためには、粉塵を発生させない、粉塵を廃棄する、防塵マスクなどで粉塵の吸入を防ぐなどがあります。
 
 
 
 
 
 
 
塵肺・じん肺・職業性肺疾患の種類一覧
名称 説明
珪肺・硅肺 珪肺は、じん肺の一種で、石英、珪石などの結晶シリカの粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患で、 呼吸困難、咳、熱、チアノーゼ、胸痛などの症状が起こります。

珪肺症、硅肺症、珪粉症、硅粉症などとよばれ、以前は「よろけ」とも呼ばれていました。

珪肺は症状により以下の分類があります。
  • 慢性単純性珪肺:低濃度の粉塵を長期にわたって吸い込んだ結果10~30年後に発症します。
  • 加速性珪肺:高濃度の粉塵を長期にわたって吸い込んだ結果5~10年後に発症します。
  • 複雑性珪肺(集合珪肺):加速性珪肺などから進行性塊状線維症を発症しそれが瘢痕化すると複雑性珪肺となります。
  • 急性珪肺:高濃度の粉塵を吸い込んだ場合数週間~5年で発症し、場合によっては死に至ります。
石綿肺 石綿肺は、じん肺の一種で、石綿(アスベスト)の粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患で、 石綿が肺に刺さることで肺繊維症や癌などを引き起こします。

石綿(アスベスト)については:アスベスト・石綿の種類一覧
グラスウール肺 グラスウール肺は、じん肺の一種で、グラスウールの粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。

グラスウールは石綿と違い発がん性は無いとされていますが、吸い込むことでじん肺以外にも呼吸器の障害が発生する場合があります。
滑石肺 滑石肺は、じん肺の一種で、滑石(タルク)の粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。

また低品質の工業用滑石にはアスベストが含まれている場合もあります。
ろう石肺 ろう石肺は、じん肺の一種で、ろう石(蠟石、蝋石)の粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。

ろう石は耐火煉瓦、ガラス繊維、石筆などに利用されています。
粘土肺 粘土肺は、じん肺の一種で、乾燥した粘土の粉塵やそれに含まれる含水珪酸アルミニウムを吸い込むことで発生する肺の疾患です。

陶芸家などがまれに粘土肺にかかることがあるようです。
珪藻土肺 珪藻土肺は、じん肺の一種で、珪藻土自体やそれに含まれる含水コロイド珪酸の粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。





セメント肺 セメント肺は、じん肺の一種で、セメント自体やそれに含まれる珪酸などの粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。

セメント工場などに長年勤務した人に発生することがあります。
絹雲母肺 絹雲母肺は、じん肺の一種で、絹雲母(セリサイト)自体やそれに含まれる珪酸アルミニウム塩の粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。

絹雲母は化粧品やセラミックの素材などに使用されています。
炭肺・炭素肺 炭粉沈着症とも呼ばれています。
炭肺は、じん肺の一種で、炭の粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。

炭鉱労働者などに発生することがあります。
黒鉛肺 黒鉛肺は、じん肺の一種で、黒鉛(グラファイト)の粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。

黒鉛は鉛筆の原料や、潤滑剤、オイルの添加剤などに使用されています。
活性炭塵肺 活性炭塵肺は、じん肺の一種で、活性炭の粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。
炭鉱夫塵肺 活性炭塵肺は、じん肺の一種で、炭鉱夫が炭などの粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。

職業性肺疾患のひとつで、昔は「よろけ」などと呼ばれていました。
溶接工肺 性炭塵肺は、じん肺の一種で、溶接工が酸化鉄などの粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。

職業性肺疾患のひとつとされています。
鉄肺 鉄症、鉄沈着症とも呼ばれています。 鉄肺は、じん肺の一種で、鉄の粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。

主に鉄鋼業に携わるものや鍛冶屋に多いとされています。
酸化鉄肺 酸化鉄肺は、じん肺の一種で、酸化鉄の粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。
硫化鉄鉱肺 硫化鉄鉱肺は、じん肺の一種で、硫化鉄鉱の粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。
アルミ肺・アルミニウム肺 アルミ肺(アルミニウム肺)は、じん肺の一種で、アルミニウムの粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。
ボーキサイト肺 ボーキサイト肺は、じん肺の一種で、アルミニウムの原料のボーキサイトの粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。
ベリリウム肺 ベリリウム肺は、じん肺の一種で、ベリリウムの粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。

ベリリウムを扱う半導体工場従事者などに発生することがあります。
チタン肺 チタン肺は、じん肺の一種で、チタンの粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。
アンチモン肺 アンチモン肺は、じん肺の一種で、アンチモンの粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。
バリウム肺 バリウム肺は、じん肺の一種で、バリウムの粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。
セリウム肺 セリウム肺は、じん肺の一種で、セリウムの粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。

セリウムは研磨剤などに使用されており、この研磨剤を長年扱う仕事に携わった人に発生することがあります。
スズ肺 スズ肺(すず肺・錫肺)は、じん肺の一種で、スズの粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。

以前はスズを産出する鉱山の労働者などに発生しました。
タングステン肺 タングステン肺は、じん肺の一種で、タングステンの粉塵を吸い込むことで発生する肺の疾患です。
その他じん肺 その他のじん肺の原因には「植物の花粉」「穀物の粉塵」「木の粉塵」「ダニの死骸」「生活環境中の埃」「動物やペットの毛」など様々なものがあります。

トンネル工事に関わった労働者がじん肺になったことで起きた裁判「トンネル塵肺訴訟」などもあります。
 

 







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