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日本と世界のダムの決壊・崩壊・越流事故の一覧


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2019年2月9日 ブラジルの鉱山ダムの決壊を追加

日本と世界のダムの決壊・崩壊・越流事故の一覧の概要

ダムとは川や谷などのくぼ地を利用して作られる水利施設です。
ダムの目的には洪水調節・不特定利水・水力発電・かんがい・上水道・工業用水などがあり、複数の目的があるダムを多目的ダムと呼んでいます。

ダムには非常に大量な水が蓄えられているため、堰堤の崩壊などで決壊や越流事故が発生すると下流の地域に多くの被害をもたらします。

また、戦争時には攻撃目標としても注目され、第二次世界大戦では「チャスタイズ作戦」、 第四次中東戦争ではイスラエル軍による「アスワン・ハイ・ダム」への攻撃、朝鮮戦争ではアメリカ軍による「水豊ダム」への攻撃も行われています。
 
 
 
 
 
 
 
日本と世界のダムの決壊・崩壊・越流事故の一覧
名称 説明
日本のダムの決壊事故
入鹿池決壊事故 入鹿池は愛知県犬山市の入鹿地区にある農業用のため池で、1633年(寛永10年)に完成しました。

入鹿池は1868年5月13日に、入鹿池の堤防である百間堤が大雨の影響で決壊しました。
この決壊事故は「入鹿切れ」と呼ばれ、死者941人、流失家屋807戸の被害を出す大惨事となりました。
小諸発電所第一調整池決壊事故 現在の長野県小諸市の南城公園付近にあった、東京電力の水力発電用の調整池で、1928年8月29日に決壊事故を起こしました。
この決壊事故で7名の死者が発生しました。

なお、現在「小諸発電所第一調整池」は杉の木貯水池として、長野県佐久市に新たに建設されました。
幌内ダム決壊事故 北海道紋別郡雄武町に1940年(昭和15年)12月に完成した水力発電用のダムで、1年11ヶ月という非常に短い工期で作られました。

幌内ダムは1941年6月6日に集中豪雨による河川の増水と、それに伴いダム内に流入した流木がダムの排出ゲートをふさいだ為に、 決壊しました。
この決壊事故により60名の死者が発生する大惨事となりました。

この事故の後、1953年(昭和28年)に同じ場所に現在の幌内ダムが完成しました。
平和池水害 京都府亀岡市にあった灌漑用のため池で、未明から降った雨(約160mm)により、1951年(昭和26年)7月11日に決壊し、 死者114人を出す大惨事となりました。
夜明ダム決壊事故 福岡県うきは市と大分県日田市にまたがるダムで、1954年に完成した水力発電用のダムです。

夜明ダムは建設中の1953年(昭和28年)6月に、梅雨前線の影響による集中豪雨で、 ダムの一部から越流し決壊しました。
大正池決壊事故 京都府にあったダムで、1953年(昭和28年)8月14日に、南山城豪雨の影響で近くに存在した「二の谷池」と共に決壊し、108人の犠牲者がでる大災害となりました。

後の1960年(昭和35年)に同じ場所に現在の大正池ダムが建設されました。
和知ダム第三ゲート崩壊事故 京都府船井郡京丹波町にある関西電力の水力発電用ダムで、1967年(昭和42年)6月に完成しました。
完成直後の1967年(昭和42年)7月に、和知ダムの第三ゲートが崩壊し、貯めていた水がせべて流出する事故が発生しました。
この事故で釣り人1名が犠牲になったとされています。
藤沼ダム決壊事故 日本の福島県須賀川市江花にある灌漑用のダムで、1949年(昭和24年)に完成しました。

藤沼ダムは、2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)により、 堰堤が決壊し150万トンもの水が流出し、死者7名、行方不明者1名を出す大災害となりました。
尾去沢鉱山の鉱滓ダム決壊事故 秋田県鹿角市にかつて存在した銅や金を採掘していた尾去沢鉱山の鉱滓ダムがおりからの豪雨により1936年(昭和11年)11月20日に決壊し、 死者374人を含む死傷者1000名以上の大惨事となりました。

また、ダム結果以後の復旧工事中の12月22日にも再び決壊し、死者9名を出しました。
持越鉱山の鉱滓ダム決壊事故 静岡県伊豆市にかつて存在した金鉱山で、1978年(昭和53年)1月14日に発生した マグニチュード7.0の伊豆大島近海の地震により、鉱滓ダムが決壊しシアン化合物約10トンがが狩野川を経て駿河湾へ 流出魚介類に大きな被害を与えました。





海外のダムの決壊事故
サウスフォークダム決壊事故 South Fork Dam

米国ペンシルバニア州ジョーンズタウン市近郊にあるサウスフォークダムは、折からの激しい雨などの影響により 1889年5月31日に決壊し、約2000万トンもの水が下流のジョーンズタウン市街に流れこみ2209人の犠牲者が出る大災害となりました。

サウスフォークダム決壊事故の死者数はダム事故のギネス記録にもなっています。
マルパッセダム決壊事故 Malpasset Dam

フランスのフランスプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域のヴァール県に1954年に作られたダムで、 1952年12月2日に大雨の影響でダムが満水となり、ダムの基礎自体が移動し崩壊したため決壊事故となりました。

この事故でマルパッセとボゾンの2つの村を濁流が飲み込み、死者421名を出す大惨事となりました。
ティートンダム決壊事故 Teton Dam

アメリカ合衆国アイダホ州を流れるティートン川に有ったダムで、湛水中の1976年6月5日にダムが崩壊し決壊しました。 約3億1000万トンの水が流出しました。

この決壊事故で、11人が死亡し、被害総額は20億ドルの大災害となりました。
エスポーラダム決壊事故 ブラジルのゴイアス州南部アポレーのコレンチス川にあるエスポーラ水力発電所のダムが 大雨の影響で2008年1月30日に決壊し、多くの農場などが水没しました。
石岡ダム決壊事故 台湾の台中市石岡区にあるダムで、1999年9月21日に発生した921大地震(台湾大地震、台湾大震災)の影響で、ダムサイトが崩壊し決壊しました。

なお、石岡ダムの直下を921大地震が発生した断層が走っていたため、ダムは約7mの高さで隆起しました。
セントフランシスダム決壊事故 St. Francis Dam

アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス郊外に有ったダムで、建設中であった1928年3月12日に崩壊し 450億リットルが下流域に流れ出し600人以上の犠牲者が出ました。
Situ Gintungダム決壊事故 インドネシアのジャカルタ近郊のタンゲランにあるSitu Gintungダムが、2009年03月27日に豪雨による増水で決壊しました。

この決壊事故の影響で少なくとも99人以上の犠牲者が出ました。
Campos Novosダム決壊事故 Campos Novosダムはブラジル南部のサンタカタリーナ州にある水力発電用の大規模ダムで、 2006年6月20日にダムの下部に亀裂が入り毎秒4000トン近い水が流出しました。
デルトン湖決壊事故 Lake Delton

アメリカ合衆国ウィスコンシン州のミシシッピ川に有るダムで、2008年6月9日にアメリカ中西部で発生した大雨による水害の影響で 決壊しました。
板橋・石漫灘ダム決壊事故 中国河南省に有ったダムで、1951年7月に石漫灘ダムが、1952年6月に板橋ダムがそれぞれ完成しました。

1975年8月の蓮娜台風(台風3号)の1日の雨量が1060ミリという記録的な大雨の影響により、大規模ダムである板橋ダム・石漫灘ダム、 中規模ダムである竹溝ダム・田崗ダム、そのた小型ダムを含め、 大小62のダムが決壊しました。

この決壊事故は「75.8大洪水」と呼ばれ、2万6千人近い犠牲者がでたとされています。
文昌赤紙ダム決壊事故 中国の海南省文昌市会文鎮西部にある小規模ダムである文昌赤紙ダムが、2010年10月8日に大雨の影響で決壊しました。
大河ダム決壊事故 中国の吉林省樺甸にある大河ダムが、2010年7月28日に大雨の影響で決壊し、下流の5つの村が濁流に飲み込まれ死者行方不明者合わせて200人以上が出ました。
中秋田ダム決壊事故 中国の湖南省にある中秋田ダムが2010年5月5日に大雨の影響で決壊しました。
このダムは1965年に建設されたダムで老朽化のため補修工事を行い、決壊3日前に補修工事が終了していました。
小海子ダム決壊事故 中国の甘粛省高台県南華鎮にある小海子ダムが2007年4月19日に決壊し、下流域の2つの村の住民が避難しました。

小海子ダムは貯水容量350万立方メートルのダムで、2004年に完成したばかりのダムでした。
錫鉱尾鉱ダム決壊事故 中国の広東省信宜市にある紫金鉱業の錫鉱尾鉱ダムが2010年9月21に決壊し、100名以上の死者が発生したとされています。
シャディコルダム決壊事故 パキスタン北部のパニシ近郊にあるシャディコルダムが2005年2月10日に、大雨の影響で貯水されていた水が堤防を越流し決壊しました。

この決壊事故の影響で下流に住む70名の住民が犠牲となりました。
ユナイテッド・ニュークリア社のウラン鉱山鉱滓ダム決壊事故 アメリカ合衆国のニューメキシコ州にあった、 1979年にユナイテッド・ニュークリア社(United Nuclear Corp.:現在のガルフ・ユナイテッド・ニュークリア社)が管理していたウラン鉱山の鉱滓ダムが決壊し、 放射能を含んだ大量の鉱滓や汚泥が流出しました。

この決壊事故の影響で下流のコロラド川流域が汚染されました。
バヤ・マレ鉱山の鉱滓ダム決壊事故 ルーマニアのマラムレシュ県にあるバヤ・マレ鉱山の鉱滓ダムが2000年に決壊し、重金属やシアン化合物を含む汚染された水がドナウ川支流のティサ川に流出しました。

この影響で下流のハンガリーなどが取水制限を行いました。
ハンガリーアルミニウム赤泥流出事故 ハンガリーのヴェスプレーム県にあるアルミ生成工場にあった鉱滓ダムの堤防が決壊し、酸化鉄などを主成分とする非常に酸性の高い廃液が流れ出しました。

この決壊事故の影響で9名が死亡120人以上の負傷者が発生し、ドナウ川支流のマルツァル川やドナウ川本流を汚染しました。

この事件は「ハンガリーアルミニウム赤泥流出事故」と呼ばれています。
オーロビルダム アメリカ合衆国のカリフォルニア州にあるオーロビルダム(Oroville Dam)は、2017年2月13日に緊急用排水路に穴が見つかり、大量の雪解け水が流れ込んだため穴が広がり崩壊する危機に見舞われました。

このオロヴィルダムはダムの高さが230m有るアメリカ合衆国最大のダムで、ダムが崩壊すると多くの被害が予想されることから下流域約20万人に避難勧告が出されました。
セーピアン・セーナムノイダム決壊事故 Xepian-Xe Nam Noy Dam

2018年7月23日に、ラオスのアッタプー県サナームサイ郡のメコン川支流セコン川で建設中であった水力発電用の大型ダムであるセーピアン・セーナムノイダムは決壊事故を起こしました。

このダムは7月22日のよるにダムの一部から水が流出されているのが発見され、修復を行うも集中豪雨により決壊しました。

この事故では死者・行方不明者が百数十名、家を失ったものは数千人にも上るとされていますが、8月5日現在も全容が分かっておらず、ラオスだけでなく下流のカンボジアでも洪水による被害が確認されています。
ブラジルの鉱山ダムの決壊 2019年1月25日に、ブラジル南東部ミナスジェライス州ブルマジーニョにあった鉄鉱石会社バーレが所有する鉱山ダムが決壊しました。

このダムの決壊で死者121人が確認され、2月7日時点でも226人が行方不明となっています。
また、鉱山の有害物質も決壊とともに流され今後の被害はさらに拡大するものと見られています。
その他のダムの決壊事故
エーデルダム空爆 ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州にある貯水池で、 第二次世界大戦中の1943年5月17日に、イギリス空軍第617飛行中隊(ダムバスターズ)によるドイツ工業地帯のダムの破壊を目的とした作戦「チャスタイズ作戦」で 空爆を受け決壊しました。

このエーデルダム決壊により下流に有ったウクライナ人捕虜の労働キャンプに多くの被害が発生しました。
メーネダム空爆 Möhne Reservoir

ドイツのノルトライン=ヴェストファーレン州にある貯水池で、 第二次世界大戦中の1943年5月17日に、イギリス空軍第617飛行中隊(ダムバスターズ)によるドイツ工業地帯のダムの破壊を目的とした作戦「チャスタイズ作戦」で 空爆を受け決壊しました。

このメーネダム決壊により1579人が無くなったとされています。
バイオントダム地すべり事故 Vajont Dam

イタリア北部のヴァイオント川に1960年に作られたアーチダムで、 堤高が262m有り当時は世界一高いアーチダムでもありました。

1963年10月9日にダムの左岸のトック山が2km以上に渡り地滑りを起こし、2億4000万平方メートル近い土砂がダム内になだれ込み、 その影響でダムに貯水されていた水が津波を起こし、ダムの堤防を乗り越え下流の地域に多くの被害が発生しました。

この事故の影響で、2000~2600人もの犠牲者が発生したとされています。
 

 







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