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風土病・地方病の種類の一覧


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風土病・地方病の種類の一覧の概要

風土病・地方病とは、ある特定された地域に定着している病気です。

原因には、ウイルス、寄生虫、遺伝、風習や習慣、その地域の土壌や水質汚染などがあります。
 
 
 
 
 
 
 
風土病・地方病の種類の一覧
名称 説明
日本紅斑熱 東洋紅斑熱とも呼ばれている風土病です。

日本紅斑熱はリッチケア属の菌の一種である日本紅斑熱リケッチアに感染することで引き起こされる感染症で、 日本紅斑熱リケッチアを保持しているマダニに刺されることで感染します。

1984年に徳島県で発見され、日本の関東以西の地域で発生しています。

発生件数は年間10~100件程度で、症状には頭痛、発熱、筋肉痛、関節痛、などが有り年に数名が死亡しています。

関連ページ:感染症・伝染病の種類一覧
日本住血吸虫病 日本住血吸虫症とも呼ばれている風土病で、山梨県の甲府盆地、利根川下流域の茨城県と千葉県の一部、 埼玉県の中川流域の一部、東京都の荒川流域の一部、富士川下流域の一部、高屋川流域の広島県と岡山県の一部、 筑後川下流域の福岡県と佐賀県の一部などで発生しました。

日本住血吸虫病は寄生虫である日本住血吸虫の感染によって引き起こされる病気で、症状には発熱、下痢や腹痛、 肝臓や脳の炎症、肝硬変にともなう腹水の発生などがあり、死に至る事も多くありました。

日本で発生が最も多かった山梨県の甲府盆地では、中間宿主であるミヤイリガイの徹底した駆除を行い、 昭和53年(1978年)の感染者を最後に発生は無く、平成7年(1995年)11月15日に終息宣言を行いました。
なお、山梨県では日本住血吸虫病を一般的に「地方病」と呼んでいます。
ツツガムシ病 リッチケア属の菌の一種であるツツガムシリケッチアの感染により発生する病気で、 ツツガムシリケッチアを持っているダニの一種であるツツガムシに刺されることで感染する風土病です。

症状には39度近い発熱、全身の発疹、筋肉痛、低ナトリウム血症等があり、 場合によっては多臓器不全や播種性血管内凝固症候群で死亡することもあります。

ツツガムシ病は山形県・秋田県・新潟県・埼玉県の河川敷などで夏季に発生する アカツツガムシを媒体とする「古典型ツツガムシ病」と、タテツツガムシやフトゲツツガムシを媒体とする 「新型ツツガムシ病」に分類され、血清の分類から「Kato型」「Karp型」「Gilliam型」「Kuroki」「kawasaki型」があります。
牟婁病 むろびょう

筋萎縮性側索硬化症(ALS、アミトロ)に分類される、和歌山県の紀南地方で古くからある風土病です。

この地方の河川の水にはカルシウムやマグネシウムが少なく、アルミニウムやマンガンが多い特徴があり、 この水を常飲したりこの地域で育てた農作物を常に食べていたことで発生したとされています。

牟婁病の症状には筋肉の萎縮と低下があり、場合によっては呼吸器の筋肉の麻痺により死亡することがあります。
遺伝性黒血症 血液のヘモグロビンの異常により発生したメトヘモグロビンの影響で、血液や唇や皮膚に黒い色が発生する病気で、 岩手県の一部では「血黒」「黒子」等と呼ばれ風土病となっていました。

遺伝性黒血症は血液や唇や皮膚の色が黒色に変化するのみで、身体的な症状はありません。
日永肝炎 1966年(昭和41年)から三重県四日市市の日永地区を中心に発生した病気で、地名から「日永肝炎」と名づけられました。

当初は公害病ではないかと疑われましたが、調査の結果ビールス性の肝炎とされ、時間がたつにつれ日永肝炎の患者は減り終息しました。
スモン
(釧路病・戸田奇病)
亜急性脊髄視神経症とも呼ばれる「整腸剤キノホルム」による薬害で、1955年頃から整腸剤キノホルムが発売中止される1970年にかけて発生しました。

当初は原因が不明で風土病として「釧路病」「戸田奇病」等と呼ばれていました。

詳細:薬害問題の一覧
コレラ コレラ菌を病原菌とする感染症で、古くはインドのベンガル地方の風土病とされていました。

コレラの症状には下痢、腹痛、低体温、脱水症状による血行障害・血圧低下・筋肉の痙攣などがあり、場合のよっては死に至る場合もあります。





マラリア マラリア原虫を原因とする感染症で、マラリア原虫を持つハマダラカに刺されることにより感染します。

古くから、日本(北海道、琵琶湖周辺、八重山諸島)、ロシア、カナダ、ヨーロッパ各地、南米、アフリカ諸国、 東南アジアなどで風土病として土着マラリアの感染がありました。

マラリアの症状には40度近い高熱や、血管が詰まることでの意識低下や昏睡に至る「脳マラリア」等があります。
フィラリア症 寄生虫の一種であるフィラリアに寄生されることで発生する病気で、 日本を始め(現在は撲滅状態)、アフリカ大陸、アラビア半島南部、インド、東南アジアや東アジアの沿岸域、オセアニア、中南米、 その他熱帯・亜熱帯地域の風土病となっています。

人間に規制するフィラリアには「バンクロフト糸状虫」「マレー糸状虫」「オンコセルカ」「ロア糸状虫」「犬糸状虫」等があり、 それぞれの種類により寄生箇所や症状も様々です。
黄熱 フラビウイルス科の黄熱ウイルスを持つネッタイシマカに刺される事で感染する感染症で、熱帯アフリカと中南米の風土病となっています。

黄熱の症状には発熱、頭痛、嘔吐、黄疸などがあり、場合によっては死に至る事もあります。
頷き病 ノッティングディジーズ(nodding disease)や、 頷き症候群とも呼ばれる風土病で、1980年代にスーダンで発生したとされ、スーダン南部、タンザニア、ウガンダのイェイ河流域の一部で発生しています。

頷き病は小児児童のみしか発症せず、発症した場合には頷くような発作の発生や、身体と脳の成長が止まり知的障害になります。
また、場合によっては死に至る事もあります。

現在、頷き病の原因は解明されていませんが、寄生虫などの感染によるものが原因だと考えられています。
クールー病 クロイツフェルト・ヤコブ病の一種で、パプア・ニューギニアの食人習慣を持っていた部族に発生していた風土病です。

クールー病を持つ部族では、葬儀の際に死者の死体を食べる習慣があり、その際に摂取されたプリオン蛋白質の影響でクールー病を発症し、 筋肉の震えや歩行困難、記憶障害などを引き起こし数年で死に至ります。
アフリカ睡眠病 催眠病、眠り病、アフリカトリパノソーマ症とも呼ばれています。

寄生性原虫トリパノソーマの感染により発症する感染症で、トリパノソーマを持つツェツェバエに吸血されることにより感染します。

アフリカ睡眠病はアフリカ大陸のサハラ砂漠以南の国で発生している風土病で、 症状には、発熱、頭痛、関節痛、リンパ節の腫れ、内臓の疾患、精神疾患などがあり、最終的には昏睡して死に至る場合があります。
バルカン腎症 バルカン半島のルーマニア、ブルガリア、クロアチア、セルビアなどで発生している風土病で、 カビにより発生する毒素であるオクラトキシンに汚染された農作物が原因とされています。

バルカン腎症の症状には肝不全、肝炎、尿路の癌などがあります。
デング熱 デングウイルスが原因の感染症で、デングウイルスを持つネッタイシマカ・ヒトスジシマカ・ポリネシアヤブカ・スクテラリスシマカに刺されることで発症します。

デング熱は110カ国以上の国で風土病となっており、症状には発熱、頭痛、嘔吐、下痢、発疹等があります。
オンコセルカ症 河川失明症とも呼ばれる病気で、フィラリアの一種であるオンコセルカに寄生されることで発症します。

オンコセルカ症は主にアフリカと中南米の一部で発生している風土病で、オンコセルカを持つブヨに刺されることでオンコセルカが体内に侵入し、 主に目にオンコセルカが寄生することで視力の低下や失明にいたります。
セレン欠乏症(克山病) セレンが欠乏することにより発生する病気で、セレン含有量の少ない土地で栽培した農作物を長年摂取すると発生します。

セレン欠乏症が発生している地域としては、中国黒竜江省の克山県、中国河南省の林県、中国江蘇省の一部などがあり、 風土病としてのセレン欠乏症には、中国黒竜江省の克山県の「克山病」があります。

関連ページ:欠乏症の種類一覧
ヨウ素欠乏症 ヨウ素が欠乏することで発生する病気で、大陸内陸国で発生することがあります。

風土病としてのヨウ素欠乏症にはモンゴル国でのヨウ素欠乏症が有ります。
骨のフッ素症 フッ素の化合を過剰に摂取することで発生する病気で、インドや中国など25カ国で発生している風土病です。

骨のフッ素症の原因には石炭燃焼によるガスや、飲料水の汚染などがあり、症状には関節の痛みや骨の変形などがあります。
成人T細胞白血病 レトロウイルスの一種であるヒトTリンパ好性ウイルスに感染することで発生する白血病または悪性リンパ腫で、 日本では九州や沖縄、カリブ海沿岸諸国、南米、中央アフリカに感染者が多く風土病となっています。
 

 







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