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毒ガスの種類一覧


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毒ガスの種類一覧の概要

「青酸ガス」「サリン」「ソマン」「チクロンB」「ルイサイト」「マスタードガス」など、約20種類の毒ガスの種類と分類を調べて一覧にまとめてみました。

毒ガスは人体や生物に有害な気体やエアロゾル状の物で、化学兵器として軍事用に利用されています。
なお、軍事用以外の有毒性のガスには「火山ガス」「燃焼ガス」「排気ガス」等があります。

主な毒ガスの分類には「びらん性」「神経ガス」「窒息性」「無力化ガス」「嘔吐ガス」「催涙ガス」「くしゃみガス」「神経性ガス」「精神錯乱性ガス」等があります。
 
 
 
 
 
 
 
毒ガスの種類一覧
名称 説明
シアン化塩素 化学式はCClN
cyanogen chloride
化学兵器として用いられる血液剤の一種で、塩素により皮膚や呼吸器や目に刺激を与えます。
シアン化水素 化学式はHCN。
Hydrogen Cyanide、青化水素、メタンニトリル、ホルモニトリル、ギ酸ニトリルとも呼ばれています。
気体のシアン化水素を「青酸ガス」といい、液体のシアン化水素を「液化青酸」と言います。
青酸ガス 気体のシアン化水素です。
無色または薄青色の気体で、致死量は約270ppm~5000ppm(空気中の0.5%)といわれています。
オウム真理教が1995年に起こした新宿駅青酸ガス事件の際に使用されました。
ツィクロンB
チクロンB、Zyklon B
第二次世界大戦中にナチスドイツで開発された殺虫剤の名称で、シアン化水素(青酸ガス)を発生させる為、ホロコーストのガス室で使用されたと言われています。
ツィクロンはA,B,Cの3種類が開発されました。チクロンBは殺虫剤としてシラミの駆除や、穀物に付いた虫などの駆除に利用されました。
ルイサイト 化学式はC2H2AsCl3
Lewisite
糜爛性(びらんせい)毒ガスの一種で、有機ヒ素化合物に分類されます。
繊維やゴムを透過するため普通の防護服では防ぐことができません。ルイサイトは即効性があるので、遅効性のマスタードガスと組み合わせて兵器と使用することがあります。
ルイサイトの毒性としては、吸い込むと痛みや嘔吐や肺浮腫等を起こして死ぬ場合があります。また、血管内体液量減少、血液量減少、ショック、臓器鬱血等を起こすこともあり、目に入った場合には失明の恐れもあります。 ルイサイトの解毒剤にはジメルカプロールが有効とされています。
アダムサイト 化学式はHN-(C6H4)2-AsCl
Adamsite
嘔吐剤あるいはくしゃみ剤と呼ばれることもある、有機ヒ素化合物の一種です。
吸い込んだり目などに入った場合、痛みやクシャミ、頭痛や吐き気などに襲われます。作用は数十分から数時間で、後遺症が残らない為無力化ガスとしても利用されています。
ガスマスク等に利用される活性炭に吸着されない特徴があるため、他の毒ガスと混合して利用されることもあります。
マスタードガス
サルファマスタード
化学式はC4H8Cl2S
Mustard gas
2,2'-硫化ジクロロジエチルを主成分とする糜爛性(びらんせい)の毒ガスです。
硫黄を含むため、サルファマスタードガス(Sulfur mustard gas)とも呼ばれています。またイペリット(Yperite)等とも呼ばれることもあります。
通常は無色透明ですが、不純物などが含まれると黄色や黄土色になります。臭いがからし、ニンニク等に似ているためマスタードガスと呼ばれています。
特徴として、空気より重いため低所に溜まる、ゴムを浸透する為ゴム状の防護服では対処できない、人体に対して遅効性で効果がすぐに現れないなどがあります。
毒性として、蛋白質やDNAに対して強く作用し、皮膚、消化管、造血器等に影響を起こし、ガンを誘発することもあります。
ナイトロジェンマスタードガス
窒素マスタードガス
Nitrogen mustard
ナイトロジェンマスタードガスはマスタードガスの硫黄原子を窒素に置き換えた毒ガスです。 種類には以下の3つがあります。
  • N,N-ビス(2-クロロエチル)エチルアミン 化学式:CH3CH2N(CH2CH2Cl)2
  • N,N-ビス(2-クロロエチル)メチルアミン 化学式:CH3N(CH2CH2Cl)2
  • トリス(2-クロロエチル)アミン 化学式:(CH2CH2Cl)3N
ホスゲンオキシム 化学式はCl2C=NOH
Phosgene oxime
腐食性と掻痒性の性質を持つ糜爛性(びらんせい)の毒ガスです。
ハロゲン化オキシム剤の種類の中では一番毒性が強いとされていますが、実際の戦争で使用されたことはありません。
毒性として、皮膚に付着すると皮膚がただれ後に壊死します。目は激しい痛み、場合によって失明。吸い込んだ場合には肺水腫等を引き起こします。また各臓器から出血することもあります。
エチルジクロロアルシン 化学式はCH3CH2AsCl2
ethyldichloroarsine
糜爛性(びらんせい)の毒ガスです。
水に触れると加水分解し塩酸になり、皮膚をただれさせたり、ヒ素中毒を起こしたりします。 毒性として、皮膚の爛れや壊死、肺水腫、急性ヒ素中毒による嘔吐、下痢などを起こします。
タブン 化学式はC2H5OP(O)(CN)N(CH3)2
Tabun
第二次世界大戦中にナチスドイツで開発された有機リン酸系の神経ガスで、 通常無色または褐色の液体で、純物質は無臭であるが不純物が存在すると弱い果実臭がすることもあります。
毒性として、痙攣や呼吸困難を引き起こします。
G剤の化学物質である為、米軍からGAとも呼ばれていました。
サリン 化学式はC4H10O2FP
sarin
第二次世界大戦中にナチスドイツで開発された有機リン酸系の神経ガスで、オウム真理教が松本サリン事件や地下鉄サリン事件で利用したので有名になっています。
呼吸以外にも皮膚から吸収され、殺傷能力が非常に強く症状も早く現れることがあります。皮膚に一滴垂らすだけで死ぬとも言われ、ガスとしての致死濃度は1立法メートルあたり100mgとされています。
症状は軽度として、発汗、嘔吐、腹痛、下痢、頭痛、めまいなど、中度として視力減退、縮瞳、顔面蒼白、痙縮、血圧上昇、言語障害、興奮、錯乱など、重度として失禁、縮瞳、肺水腫、呼吸困難、呼吸筋麻痺、意識混濁、昏睡、全身痙攣等を起こし場合によっては死亡します。
イラン・イラク戦争ではイラクがイラン軍とクルド人に対しサリンを使用しました。また、アメリカ軍と北朝鮮がサリンを保持していると言われています。
G剤の化学物質である為、米軍からGBとも呼ばれていました。





ソマン 化学式はC7H16FO2P
soman
第二次世界大戦中にナチスドイツで開発された神経ガスで、タブンやサリンよりも毒性は強く、毒ガスとしての致死量は1立法メートルあたり70mgとされています。
無色無臭の液体で、気化させて毒ガスとして利用します。 G剤の化学物質である為、米軍からGDとも呼ばれていました。
シクロサリン 化学式はCH3P(O)(F)OC6H11
cyclosarin
第二次世界大戦中にナチスドイツで開発された有機リン酸系の神経ガスで、サリンのイソプロピル基がシクロヘキシル基になったサリンと同系統の毒ガスです。
通常無色の液体で、甘くてカビ臭い匂いがするといわれています。
G剤の化学物質である為、米軍からGFとも呼ばれていました。
GVガス 化学式はC6H16FN2O2P
有機リン系神経ガスでG系ガスとV系ガスの両方の特徴を持っています。
第二次世界大戦後ドイツの残した史料を元にチェコスロバキアが開発しました。サリンより安定しており、サリンと同程度の毒性を持っているとされています。
VEガス 化学式はC10H24NO2PS
有機リン系の神経ガスです。
VGガス 化学式はC10H24NO3PS
有機リン系の神経ガスです。
VMガス 化学式はC9H22NO2PS
有機リン系の神経ガスです。
VXガス 化学式はC11H26NO2PS
非常に毒性の強い神経ガスで、人類が作った最も毒性の強い化学物質と言われており、ガスとしての致死量は1立法メートルあたり0.1mgとされています。
1950年代初期にイギリスで開発され、琥珀色をした油状の液体で、霧状に散布して毒ガスとして利用します。
1994年にオウム真理教がVXガスを合成して使用しました。
塩素ガス 化学式はClまたはCl2
塩素は常温時通常気化しており、黄緑色の気体で、毒性と腐食性を持っています。
兵器としては第一次世界大戦中にイープル戦線で使用されました。
塩素ガスは呼吸器や目の粘膜に影響を与え、咳や嘔吐、場合によっては呼吸困難などで死にいたる場合もあります。
市販されている塩素を含む漂白剤と酸性の洗剤などを混ぜる事により、塩素ガスが発生することがあります。 そのため、市販の塩素系の漂白剤には「混ぜるな危険」も注意書きがあります。
クロロピクリン
クロルピクリン
化学式はCCl3NO2
塩化ピクリン、トリクロロニトロメタンとも呼ばれており、日本では農薬として登録されています。
通常、粘性のある無色の液体で、光や熱などで分解して塩化水素や窒素酸化物を発生させる事があります。気化した気体は空気より重く、低地にたまります。
当初は窒息性毒ガスとして開発され、第一次世界大戦中に実際に使用されました。目に対して刺激を与える為、催涙ガスとしての効果もあります。
農薬として土壌の殺菌や殺虫に使用されております。
ホスゲン 化学式はCOCl2
炭素と酸素と塩素の化合物で、二塩化カルボニル等とも呼ばれています。
窒息性毒ガスとして、第一次世界大戦で使用されました。
ホスゲンを吸入した場合、眼、鼻、気道に刺激を生じ、肺水腫や呼吸困難、心不全等になる場合があります。
オウム真理教がジャーナリストの江川紹子氏を殺害しようとした「江川紹子ホスゲン襲撃事件」で使用されました。
ジホスゲン 化学式はC2Cl4O2
炭素と酸素と塩素の化合物で、ホスゲンダイマーとも呼ばれています。常温で無色の液体で、ホスゲンよりも取り扱いが簡単です。
第一次世界大戦にドイツ軍が戦場で使用しました。
BZガス 化学式はC21H23NO3
3-キヌクリジニルベンジラート、Agent 15、ベンジル酸キヌクリジン-3-イルとも呼ばれています。
無力化ガスの一種として利用され、瞳孔散大、口や皮膚の渇き、覚、昏睡、物忘れ、混乱などさまざまな意識障害等を引き起こします。
KOLOKOL-1 1970年代にレニングラードの軍の研究所で開発された、アヘン剤から派生した無力化ガスの一種で、曝露後数秒でに効果を発揮し2~6時間意識不明の状態にすることが出来ます。
モスクワ劇場占拠事件で使用されましたが、人質922人のうち129人が中毒死したため、安全性などに疑問視されています。
ジフェニルクロロアルシン 化学式は(C6H5)2AsCl
diphenylchlorarsine
ジフェニルアルシノクロリド、クロロジフェニルひ素、ブルークロス、クロロジフェニルアルシン等とも呼ばれています。 嘔吐剤、くしゃみ剤と呼ばれる毒ガスの一種で、くしゃみ、咳、頭痛、吐き気などを引き起こします。
ジフェニルシアノアルシン 化学式は(C6H5)2AsCN
diphenylcyanoarsine
嘔吐剤、くしゃみ剤と呼ばれる毒ガスの一種で、くしゃみ、咳、頭痛、吐き気などを引き起こします。
ニンニクと苦みのあるアーモンドが混ざったような臭いが有るのが特徴です。
CSガス
クロロベンジリデンマロノニトリル
化学式はC10H5ClN2
化合物名ではクロロベンザルマロノニトリルと呼ばれています。
催涙剤、催涙ガスの一種で、暴徒鎮圧用に使用されます。
CNガス
クロロアセトフェノン
化学式はC8H13ClO
催涙剤の一種で、各国の警察などが暴徒鎮圧のために使用しています。日本でも護身用の防犯用品として市販されています。 1918年にアメリカで毒ガスとして開発され、日本陸軍では「緑二号」と呼ばれていました。
効果としては、目に入ると激しい痛みを感じ一時的に失明することもあり、呼吸器に入ると咳やクシャミを引き起こします。 一般的には後遺症は残らないとされています。
CRガス 化学式はC13H9NO
英国国防省によって暴徒鎮圧のために開発された催涙ガスです。
三フッ化塩素 化学式はClF3
塩素とフッ素の化合物で気体または淡黄色の液体です。
毒ガスとしては、ナチス・ドイツがN-stoffという名前で生成を行いましたが、実際の戦争では使用されませんでした。
三フッ化塩素を毒ガスとして利用するには、製造コストが高く、保管や輸送時の取り扱いが難しい問題があります。
トウガラシスプレー カプサイシンを主成分とした催涙スプレーの一種で、目や粘膜の痛み、困難呼吸、咳等を引き起こします。オレオレジン・カプシカムとも呼ばれています。
通常、後遺症が残らないといわれていますが、トウガラシスプレーによるとみられる死者もでています。
アメリカでは州により規制がありますが、日本では護身用の防犯用品として一般でも販売されています。 化学兵器禁止条約で軍隊が戦争に用いることは禁止されています。
亜硫酸ガス 化学式はSO2
二酸化硫黄が気化したガスを亜硫酸ガスと呼びます。
火山活動や工業活動により生成され、大気汚染や酸性雨や各種公害の原因となっています。
亜硫酸ガスは呼吸器を刺激し、せき、気管支喘息、気管支炎などを引き起こします。
クリミア戦争イギリス軍が兵器として亜硫酸ガスを使用したとされています。また19世紀のハイチで暴徒の奴隷を鎮圧する為にフランスが使用した記録も残っています。
毒ガスの分類
血液剤
シアン化物剤
シアン化物イオンを発生させ、細胞内呼吸を阻害することによって人体に影響を与える種類です。
血液剤には、シアン化塩素、シアン化水素などがあります。
びらん剤
糜爛剤
主に皮膚をただれさせる効果のある化学兵器で、皮膚以外にも呼吸器なども爛れ肺水腫を引き起こします。 また、ゴムを侵食するため防護時にはゴム製の防護服ではなく、シリコン、テフロン加工した防護服が必要になります。
びらん剤には、ルイサイト、サルファマスタード、ナイトロジェンマスタード、ホスゲンオキシム、エチルジクロロアルシンなどがあります。
神経ガス 有機リンの一種で、神経伝達に影響を及ぼす効果のある化学兵器です。おもに筋肉の動きが麻痺し、呼吸困難などの効果があります。
呼吸器以外にも皮膚から進入するため、防護時には防護服が必要となります。
神経ガスには、G剤、V剤、ノビコック剤等があり、市販されている殺虫剤にも神経ガスと同様の成分が含まれているものもあります。
G剤 第二次世界大戦前後にドイツで開発された毒物の総称で、German gasの頭文字をとってG剤と呼ばれています。
G剤の毒ガスにはタブン、サリン、ソマン、エチルサリン、シクロサリンが有ります。 またドイツの資料を基にチェコスロバキアが開発したGP(GV)ガスもG剤に含まれることがあります。
V剤 硫黄を含む有機リン化合物の神経ガスの一つで、毒(Venom)の頭文字をとってV剤と呼ばれています。
V剤は毒性が非常に強く、人類が作った最も毒性の強い化合物と言われています。
V剤にはVEガス、VGガス、VMガス、VXガスが有ります。
窒息剤 窒息剤は、喉や気管支などの呼吸器系を刺激し、肺水腫などの障害を起こさせて窒息死させます。
窒息剤には、塩素ガス、クロロピクリン、ホスゲン、ジホスゲンがあります。
無力化ガス 無力化ガスは「無力化ガスは一時的に生理的または精神的な影響、あるいは両者を発生させ、彼らが目的を持った組織的な行動をできなくする。」と定義されています。 主に暴徒鎮圧などに利用されるタイプの毒ガスです。
無力化ガスにはAgent 15、KOLOKOL-1等があります。
嘔吐剤
くしゃみ剤
嘔吐剤は気道や眼を強く刺激し、催涙効果とくしゃみ、咳、吐き気、嘔吐等を引き起こします。
嘔吐剤にはアダムサイト、ジフェニルクロロアルシン、ジフェニルシアノアルシンがあります。
催涙剤 催涙剤は後遺症を残さない非致死性のガスで、目や鼻に刺激を与え咳、クシャミ、落涙、嘔吐などの症状を引き起こします。
主に暴徒鎮圧の際に使用され、一部の護身用の防犯用品に、催涙剤と同じ成分が入っているものもあります。 催涙剤にはトウガラシスプレー、CSガス、CNガス、CRガスがあります。
 

 







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