特攻兵器の種類一覧
名称 |
説明 |
桜花 |
大日本帝国海軍によって開発された特攻兵器で、昭和19年に開発され昭和20年より実戦に投入されました。
桜花は有人式の誘導ミサイルで、1200kgの爆弾を搭載し一式陸攻24型丁の下部に搭載し敵艦隊の近くまで行き発射されました。
戦果としては桜花のパイロット55名と母機の一式陸攻24型丁の乗組員368名の犠牲を出したにもかかわらず、アメリカ海軍の駆逐艦1隻を撃沈しその他数隻に損傷というものでした。
桜花には21型、22型、33型、43型がありました。
また、アメリカ軍からは「BAKA BOMB」など呼ばれていました。
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梅花 |
大日本帝国海軍によって開発されていた250kgの爆弾を積んだ特攻兵器で、ドイツのミサイル「V-1飛行爆弾」のパルスジェットエンジンを搭載していました。
なお、梅花は開発途中に終戦を迎え完成はしませんでした。
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剣 |
キ115剣、大日本帝国海軍では「藤花」と呼ばれていました。
大戦末期に作られ資材不足から木材やブリキが材料に使用されていました。
特攻兵器としては使用されませんでしたが、海軍の特攻兵器に使用される名称の「花」の文字が付いていることや、
機能的な面から特攻兵器として開発されたと考えられています。
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橘花 |
大日本帝国海軍が開発していたジェットエンジンを搭載した攻撃機です。
橘花は日本で最初の純国産ジェット機となっており、ドイツのメッサーシュミットMe262を参考に開発されました。
特攻兵器としては使用されませんでしたが、海軍の特攻兵器に使用される名称の「花」の文字が付いていることや、
橘花の実戦投入用の部隊「第七二四海軍航空隊」が行っていた、敵基地への強行着陸後の白兵戦訓練などから、
特攻兵器としての運用を考えていたとされます。
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タ号 |
タ号試作特殊攻撃機。
大日本帝国陸軍によって開発された特攻機で、資源不足と開発を簡単にすることから木製となっており、
短距離を飛行し日本近海の船舶や敵の部隊に特攻することを目的にされました。
タ号には日本国際航空工業の設計した100kgの爆弾を搭載できる型と、
立川飛行機が設計した500kgの爆弾を搭載できる型がありました。
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神龍 |
大日本帝国海軍が開発した本土決戦に備えた特攻機で開発途中に終戦を迎えました。
神龍は木製グライダー型の飛行機で、100kgの爆弾を搭載し上陸してきたアメリカ軍の戦車などに体当たりすることを目的にされました。
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桜弾機 さくら弾機 |
大日本帝国陸軍の重爆撃機「飛龍」(キ67)を特別攻撃専用機に改良したもので「キ167」と呼ばれていました。
桜弾機は桜弾と呼ばれる2.9tの対艦用大型爆弾を搭載していました。
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ト号機 |
大日本帝国陸軍の重爆撃機「飛龍」(キ67)を特別攻撃専用機に改良したもので、800kg爆弾を2つ搭載することができました。
ト号機を運用した部隊は「富嶽隊」と呼ばれていました。
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回天 |
大日本帝国海軍の特攻特殊兵器の○六として開発された人間魚雷で、九三式三型魚雷を元に作られ1.55トンの爆弾を搭載することができました。
回天には1型、2型、4型、10型が開発され、戦果としては49回の発射で、アメリカ軍の船を3隻撃沈、大破1隻、小破4隻という結果になりました。
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震洋 |
大日本帝国海軍の特攻特殊兵器の○四として開発されたベニヤ製のモーターボート型の特攻兵器です。
震洋は250kgの爆弾を搭載し、一型艇と五型艇の種類がありました。
戦果はアメリカ軍の発表では連合国の艦船は4隻とされています。
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四式肉薄攻撃艇 |
大日本帝国陸軍の特攻特殊兵器の○二として開発された小型攻撃艇です。
マルレ、マルニなどとも呼ばれています。
もともとは特攻兵器ではなく敵船近くまで接近し爆雷を投下するために作られましたが、
体当たりによる特攻の方が戦果が上がると考えられたため、後に100kgの爆雷を2つ搭載した特攻兵器となりました。
戦果としては小型の駆逐艦、揚陸艦、輸送船などを撃沈させたといわれています。
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蛟竜 |
大日本帝国海軍の特攻特殊兵器の○一として開発された特殊潜航艇です。
特殊潜航艇「甲標的」を改造して作られ、5名の乗員が乗り込めました。
実践では3隻が出撃したとされますが、戦果は不明となっています。
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海龍 |
大日本帝国海軍の特攻特殊兵器の○三として開発された特殊潜航艇です。
海竜、SS金物などとも呼ばれました。
約200隻が作られましたが、終戦により実践に投入されることはありませんでした。
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伏竜 伏龍 |
大日本帝国海軍により開発された特攻兵器です。
伏竜は機雷に数メートルの棒が付いたもの(五式撃雷)で潜水具を付けた兵士が水中に潜り、敵船の下から機雷を突き刺すというものでした。
実際に戦闘には使用されませんでしたが、訓練などの事故により10名以上が死亡したとされています。
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刺突爆雷 |
大日本帝国陸軍により開発された対戦車用の特攻兵器です。
主に約1.5mの棒の先に爆薬を取り付け、戦車に突き刺したりして爆発させるものです。
刺突爆雷には様々な爆雷が使用されました。
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爆槍 |
対人用爆竹槍とも呼ばれました。
2m程度の竹やりの先端部分に爆薬と信管を取り付けたもので、敵を突き刺すものでした。
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その他特攻兵器と利用されたもの |
旧日本軍航空機 |
菊水作戦などの航空特攻では神風特別攻撃隊(神風特攻隊)、震天制空隊、飛行第244戦隊などで以下の機体が利用されました。
- 零式艦上戦闘機(零戦・ゼロ戦)
- 一式戦「隼」
- 三式戦「飛燕」
- 四式戦「疾風」
- 二式複座戦闘機「屠龍」
- 九七式艦上攻撃機
- 艦上攻撃機「天山」
- 艦上爆撃機「彗星」
- 艦上攻撃機「流星」
- 陸上爆撃機「銀河」
- 四式重爆撃機「飛龍」
- 九九式双発軽爆撃機
- 九九式襲撃機
- 九九式艦上爆撃機
- 九九式高等練習機
- 二式高等練習機
- 白菊
- 九三式中間練習機(赤とんぼ)
- 百式司令部偵察機
- 九八式直協機
- 零式水偵
- 零式水観
- 九四式水偵
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旧日本軍艦船 |
艦船による特攻では天一号作戦で出撃した戦艦大和を含む9隻の船などがあります。
- 戦艦大和
- 軽巡洋艦矢矧
- 駆逐艦冬月
- 駆逐艦涼月
- 駆逐艦磯風
- 駆逐艦浜風
- 駆逐艦朝霜
- 駆逐艦初霜
- 駆逐艦霞
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メッサーシュミットBf109 |
日本の神風特別攻撃隊に触発された旧ドイツ軍が結成した体当たり攻撃を行う部隊「エルベ特別攻撃隊」で使用されました。
エルベ特別攻撃隊では体当たり後パラシュートで脱出することも有りました。
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フォッケウルフFw190 |
日本の神風特別攻撃隊に触発された旧ドイツ軍が結成した体当たり攻撃を行う部隊「エルベ特別攻撃隊」で使用されました。
エルベ特別攻撃隊では体当たり後パラシュートで脱出することも有りました。
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Fi-103R ライヒェンベルク
Fi-103R ライヘンベルク |
有人型のV1飛行爆弾として旧ドイツ軍が開発しました。
母機とした「He 111」などから発射され、Fi-103Rに乗り込んだ人間が操縦士、敵艦に着弾する寸前に脱出するものでしたが、様々な問題から実線には投入されませんでした。
Fi-103R ライヒェンベルクには、Re-I、Re-Ⅱ、Re-Ⅲ、Re-Ⅳの種類がありました。
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Ba 349 バッヘム Ba 349 |
ドイツで思索されたロケット式迎撃機で、敵機に接近後ロケット弾を発射し、パイロットはパラシュートで脱出するというものです。
Ba349A型とBa349B型が開発されましたが、実線には投入されなかったようです。
ナッターとも呼ばれていました。
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チャリオット人間魚雷 |
イギリスにより開発された人間魚雷で、敵艦体当たり直前で脱出するというものでしたが、実線投入されませんでした。
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X級潜水艦 |
イギリスの小型潜水艦で、1943年9月22日にソース作戦で使用されました。
ソース作戦では、2000kg爆弾をドイツ軍の戦艦ティルピッツの艦艇下に投下し爆発させて、ティルピッツに損傷を与えました。
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Maiale マイアーレ |
イタリア軍が第二次世界大戦中に開発した二人乗りの人間魚雷で、敵艦の下などに潜りこみ爆弾を仕掛けるものです。
爆弾を仕掛けた後乗員は脱出をしました。
第10MAS部隊(デチマ・マス Decima MAS)のマイアーレは1941年12月19日のアレクサンドリア港攻撃で、イギリスの戦艦ヴァリアントと、クイーン・エリザベスを大破させました。
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MTM特攻ボート |
イタリア軍が第二次世界大戦中に開発した特攻ボートです。
目標の敵艦などに体当たりする直前に操縦者は脱出しました。
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ポリカルポフ I-16 |
ロシア(旧ソ連)においてI-16などで「タラーン」と呼ばれる航空機による体当たり攻撃が行われていました。
タラーンを行った場合は必ずしも死ぬわけではなく、帰還し何度もタラーンを行っているパイロットも居たようです。
また、日本の神風特別攻撃隊よりも数年早く行われていたとも言われています。
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その他 |
XP-79 フライング・ラム |
第二次世界大戦中にアメリカ軍が開発した戦闘機で、特攻とはやや違いますが体当たりにより敵機を撃墜することも可能とされた機体です。
フライングラムは試作機のテスト飛行中に墜落してしまい、その後の開発は中止となりました。
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ルイージ・フェッラーロ(人名) |
Luigi Ferraro
第二次世界大戦中のイタリアで活躍した潜水兵(フロッグマン)で、吸着爆雷を船底に取り付け1943年に単身で3隻の輸送船を沈めました。
詳細:ウィキペディア(イタリア語)
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